∀ガンダム第8話「ローラの牛」

 さて、序盤の最大のターニングポイントとなるこの話。タイトル通り「牛」が印象的な話。

 最初キエルとソシエの対立から。ソシエは、キエルがグエンのムーンレイスとの交渉の手伝いをしていることが気に入らない。キエルはソシエが兵隊に入ることが心配。

 ロランはグエンにムーンレイスの居留地周辺で過激派を抑えるよう頼まれる。ついていくソシエ。グエンはロランの素性に気ついている様子。「あの子は一つの秘密を隠すために、他の事には正直であろうとしています。」

 兵隊になるのに反対されたソシエは、「ロランには私の気持ちは分からない。父が殺されたってことがどういうことかも。分かるわけないよ。幸せなロラン」ソシエの気持ちも分かる。しかし、「幸せなロラン」ではないことには気づかない。

 居留地付近ではディアナカウンターと地球人の争いが起こっていた。その間で苦しむムーンレイスの帰還民。彼ら民間人は平和裏に暮らせると聞いて地球に下りてきており、地球人と争う気は無い。しかし、地球人との対立で、食料の確保もままならない。

 地球人とムーンレイスの対立もあれば、ムーンレイスの中でもディアナカウンター(軍)と民間人の間もうまくいってないという二重構造がうまく描かれている。軍隊は最初は民間人の保護のために造られるが、しだいに軍自体の要求が目的になってくる、という、軍自体の矛盾構造も描かれている。

 偶然会ったロランとキースとフラン、それにソシエの四人でお食事。三人の素性を怪しむソシエ。なかなかするどい所をつっこむ。「でも女の勘はさえている。なんか怪しいな」

 四人は、赤ん坊抱えて奥さんは病気に苦しむ帰還民を助けるため食料を探す。戦乱で逃げ出して、ブタや鳥や牛がおいてかれた家を発見。「ディアナカウンターの空襲って、地球の人にはとても恐ろしかったんですよ。」「私もね、だんだん分かってきたんです。地球にはもともと生活していた人がいて、私たちがここに戻ってきたせいで、土地を追い出される現実を見ると…私たちも生きていかねばなりません。しかし軍の言うことを鵜呑みにはできない。冬と言う季節が来る。」

 なおもフランを問い詰めるソシエは、ロランの口癖が「ハイムのお嬢さんは素敵だ」と、聞かされ、思わず「どっちのお嬢さん?」可愛いねえ。

 ロランは牛を運ぶために∀を動かす。しかし途中でポウのワット隊に囲まれる。「ディアナカウンターは、民間人をいじめるような情けない軍隊なんですか?」トラックがワットに捕まえられ、一触即発!しかしここでハリーが登場してポウを撤退させる!おおナイス、ハリー!かっこいいぞ。帰還民の要望にも答えるハリー。水戸黄門か、お前は(笑)風に髪をなびかせながら「ローラ、我が同朋を助けてくれているのか?」と問うハリーに、ロランは、

 「人は皆、人ですから」

 ∀のミサイル格納庫に牛を入れて居留地まで運ぶ一行。めでたしめでたしと思ったら、今度は地球人に囲まれる。「盗人!どこの村から持ってきた!」「お前らに食わせるために育ててたんじゃないぞ!」「返せ!」「牛やブタが逃げたのはそいつらが来たせいだろうが!」「月の人間は月に帰ってよ!」「月の人間なんか飢えて死んでしまえ!」あわてて擁護するロラン「待ってください。同じ人間じゃないですか。子どもだっているんですよ。助けてあげてもいいじゃないですか。死ねばいいなんてひどい。ひどすぎます」そんなロランにも罵詈雑言をあびせかける地球人。ロランはついにガマンしきれず、自らの素性を明かす決意をする。

 「僕は2年前に月からきました。けど、月の人と戦います。だけども地球の人とも戦います、人の命を大事にしない人とは、僕は誰とでも戦います。」

 軍隊と民間人の関係、異民族問題で噴出する感情、をリアルな視点、地に足をつけた視点から丁寧に描き、それに対してどちらにも属し、どちらの感情も理解するロランに最後叫ばせる展開は見事としか言いようがなく、この話が傑作たる所以である。そしてこの傾向はここから∀の地上編をつらぬく核になっていく。裏切られた思いのソシエは、最後ロランに平手打ちをくらわせるが、居留地に無事帰ってきたときは微妙な表情を浮かべており、ロランの叫びとも合わせて、善悪二元論ではないガンダムシリーズの特徴も大きく受け継いだ話でもある。

 ああ、この話何回観ても感動するなあ。次はコレン=ナンダー登場!トミノのつけそうな名前だこと(笑)。

 

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この記事へのコメント

2020年04月17日 06:24
塵過ぎてつまらない

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