セクシーボイスアンドロボvoice3「お歯黒女」

 「お歯黒女」ネットとかではあんまりこの回人気無かったけど、俺はけっこう好きなんだけどなあ。まがたまなセリフがけっこう散りばめられてるし、メッセージ性も高いと思うんだけどなあ。

 最初のモノローグはこうだ。

 「親の言うことって良く分からない。みんなと同じでなきゃダメだ、と言っておきながら、人とは違う能力を伸ばせ、と言ったりする。いったいどっちなんだ?」「特別な能力を身に着けた孤独な人生がいいのか、それともみんなと同じで安心だけど平凡な人生がいいのか、泣きたいほどの孤独と何もない平凡な自分になってしまうのとどっちが怖いんだろう。」

 第三話にしてようやくスパイらしい?話だ。といっても人探し。赤と黄色のシマシマのスカートをはいて、ねちょねちょの液体をとばしてくるというお歯黒女を探す、というもの。

 冒頭のお歯黒女対片桐はいりは笑える。確実に片桐はいりの方が怖いなあ(笑)。お歯黒女にすき焼き用の肉を奪われ、ニコん家は肉なしすき焼き。お歯黒女に襲われたという母の言葉を家族は信じられずからかう。家族のシーンけっこう好き。やっぱお父さんお母さんとも役者がいい感じやからかなあ。あとお気に入りのニコのニヤニヤ笑い。

 で、その肉は、ロボがうずくまってたお歯黒女からほられて受け取る。23円しかもってなかったロボは道端の草を食ってたところだった。道端の草を食うって、なんか思い切った芝居だなあ、松山ケンイチ頑張るなあと、この辺から思い出した。喫茶店の前でコーヒーの香り嗅ぎながらパンの耳を食うとかね。「人が落としたものを、こうして平気で食える俺って、人間としてどうなんだ…プライド無いのか、ホントに食べてしまうのか、おいっホントに、あれ、口が…あ、あ、あ、うまーい!」

 よっちゃんがニコに弓矢で呼び出しかけるのもおもしろーい。もう一回ぐらいこんなのあったと思うけど、その後無し。何で無くなったんだ?お歯黒女探しを500万円でマキナに依頼されるが、ニコは「無理です。あたし子どもだし。お金とか興味ないし」と断る。とりあえず100万円渡されたニコはロボの所へ…

 そのころロボはオタク友達4人ぐらいでロボットのフィギュア観賞会をやっていた。そこに飛び込むニコ。ロボに札束を見せるが、鑑賞会に夢中のロボは無視(笑)「ちょっと待って、今大人の会議してるから」「どこが大人よ。ロボットでたわむれてるだけじゃん!」

 ニコは家で父の給与明細を見てしまう。28万5千606円の表示を見て、仕事をやっぱり断ろうとする。その後の父との会話「見た?」「見てない」とか、ごまかしてテレビ観るとことかも、大後寿々花の芝居うまいなあ…と関心する。

 ロボは女に出会うが、自殺志願の女だった。ガオガイガーのフィギュアに向かって叫ぶロボ。「どうするガイ!俺どうしたらいいの!ああ、愛と正義と勇気があってもどうすることもできないじゃないか!ガイ!ああ!」(笑)。ロボは女と喫茶店で再会し、自殺を止めようとするが、「じゃあ、百万円ちょうだい。愛と勇気と正義だけじゃ無理でしょ」と言われてしまう。

 家で悩むロボの所にニコが飛び込んでくる。預かってた100万円をどっかにやってしまい、探しに来たのだ。100万欲しいロボはお歯黒女探しの依頼を受けることにする。「やる?」「マックスパーンチ!」「それはやるって事だな」

 作戦を練るニコとロボ、弱点のしいたけを母に見つからぬようこっそり盗むニコ、捕獲用のネットを見つからぬようこっそり学校から盗むニコ(見つかるって)、笑える。

 お歯黒女の声を能力で聞き分けたニコ。「ロボ、出動だ!」

 よっちゃんの助けも得て、お歯黒女の家を突き止めた二人。作戦は?と問うニコにロボは、「あえて作戦は無い、という作戦に出る。作戦が無いゆえ、各人の努力と精神力を今まで以上に発揮せざるをえないという画期的な作戦だ!」なんじゃそれ(笑)。ドアを蹴破って侵入。これもこの3話まではパターン化して面白かったのになあ。

 お歯黒女はロボの会ったあの自殺志望の女だった。名前は月子。「みんなに覚えておいて欲しかったからよ。あたしが死んでからもずっと、やな思い出でもいいからあたしが生きていたことを覚えておいて欲しかった。」500万円の依頼で探されてると知って「あたしはもっと価値のあるものになりたかった」「だって世の中そうじゃない。価値の無いものはふみつけられて、価値のある人だけのほほんと生きてる。あたしはショボイまま生きるのはやだ。でも、ショボイまま死んでいくのはもっとやだ」「あたしが平凡で弱くて何もできないのがそんなに嬉しい?だれにでもできることしかできなくて、代わりなんていっぱいいて、あたしが死んだって誰も困らない。あたし何のために生きてんのー」

 これに対してロボは奇跡を見るためだ!と言って自分の子どもの頃の体験を話す。平凡だけどロボにとっては奇跡の体験。ニコは人生ゲームを見つける。そこには月子自身が10才の時に未来の自分あてに書いた手紙が入っていた。「頑張れないよ。もう遅いよ」と言う月子にロボが優しく言う。「いや。何事も遅すぎるということはない」

 マキナに報告するニコ。「で、預かったお金なんですけど…」なくしたお金の事をおずおずと言おうするニコだが、それはマキナの策略だった。どうしてもニコに仕事させたくて、スリに盗ませたのだ。「そういうの何かヤダな。人に無理やり押し付けられるの…自分を殺すって言うか、自分が無くなるっていうか」というニコに、マキナは言う。「自分のやりたい事をやるのが、自分らしく生きることだって思ってるんだ。」「違うんですか?」「違うわね。全然違う。」

 「気の進まない仕事でも、押し付けられたことでも、自分のやり方でやりとおす。それが自分らしく生きるってこと」

 まあ、そうだけどね。

 依頼をしたのは月子の父親だった。「心からお礼を言ってくれって、ありがとう。」「ありがとうとお金と両方もらえるんだ。」「そう、それが仕事」

 一海がバイトしてる場面になる。試供品の電池配るバイト。メイド姿で配るはずが、お歯黒女のかっこに変更になったために、一海以外のバイトが皆帰ってしまう。一海は1人やる、と言う。「いいんですか」「いいも悪いも仕事なんだから仕方ないでしょ」

 お金をもらったニコはロボと豪遊する。「貯金しろよ」というロボにニコは、「だってこの間さあ、お父さんの給与明細見ちゃったんだよねえ。全部使ってしまわないと、お父さんに悪いじゃない」。ロボとお寿司食べながら社会のテスト勉強するニコ。「はくしに戻そう遣唐使…ね、お金があるときってみんなすごく親切に思えるよね。ってことはさあ、お金が無いと親切にされないってことなのかな?」「いいくに作ろう鎌倉幕府…ねえ、ここっていい国なのかなあ」

 最後は皆が誰かにありがとう、を言ってもらうシーンが繰り返される。使い切れなかったお金を寄付したニコがお礼の手紙をもらう。おばあさんを背負って走るロボが「ありがとう」を言ってもらう。一海がバイト先の人に「ありがとう」を言ってもらう。お茶をいれた父が母に「ありがとう」を言ってもらう。とげ抜きをしたよっちゃんがマキナに「ありがとう」を言ってもらう。ごみ収集の仕事をしだした月子が間違えてすてた書類を見つけて「ありがとう」を言ってもらう。

 何かいろんなテーマが混じってる。平凡な人生は悪いのか。お金だけが人生か。親切とはどういうことか。人生の価値とは何か。仕事とは何か。これらがいろんなセリフやシーンで象徴され、交じり合う。何回か観たら分かる、ああ、このセリフ、このシーン、こういう意味があるんだ、と。これが木皿泉の真骨頂だ。だから第三話は好き。

 ニコの最後のモノローグ。

 「10年後の私は元気だろうか。元気の出る魔法の電池はたぶん、ありがとう、という言葉だ。月子さん、新しい人生ゲームは、楽しいですか?」
 
  

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック

  • uniqlo 松山ケンイチ 関連最新情報

    Excerpt: 誰かー…誰か ユニクロ 行こう や 松山ケンイチ居るやか ... Weblog: 松山ケンイチ 画像・動画 最新情報ブログ racked: 2007-08-05 05:20